授業が終わったあと、私は悠太の家にいった。


――ガチャッ……。


玄関のドアは開いていた。


「……ゆ……悠太ー! ……」

私は悠太の名前を呼んだ。でも悠太の声はしない。


「悠太……本当にパリに……?」


すると、リビングテーブルに紙がおいてあった。紙には、


『 立夏へ。


この前はやり過ぎた。ごめん。突然だけど、パリに戻ることになった。5月の運動会までには帰ると思う。家の鍵は、冷蔵庫にあるよ。ガス代とかは従兄弟が払ってくれてるから大丈夫。お金は銀行から使っていいよ。


さようなら。


藤野 悠太より』


と書かれていた。