MIRROR-ЯOЯЯIM

「都樹…。」

都樹がいた。だけど、制服の着方が少し違う。

私の本来の世界の都樹だった。

「ん? 理奈、何かイメチェンした?」
「それはこっちのセリフだよ。」

そういえば、こっちでも都樹と付き合ってることになってるんだっけ…。

少し頭が混乱してきた。と同時に、あの世界が愛おしく思えてきた。

「…ねぇ。」
「ん?」
「ちょっと…鏡、見ない?」
「鏡?」
「うん。」

私達は、階段の中腹にある鏡を見た。

「何だよ、いきなり?」
「う~ん…。」

うまくいくかどうかは分からないが、私はもう一度、あの世界に行こうとしていた。

だけど…鏡の私は、いつまでも私と同じだった。

「はぁ…。どうしたんだよ、理奈?」

都樹が諦めて帰ろうとした、その時だった。

鏡の中の都樹が、口を開いた。

「おい、何勝手に他の奴の彼女になってんだよ、理奈。」

私は都樹の手を引き、鏡に思いっきり飛び込んだ。割れる音も痛みもなく、私達は鏡の世界に入ることができた。