その後、都樹も駆けつけてきてくれた。

「都樹!」

工場の入り口に都樹が来たのを見ると、私はその方へ走って行った。

「癒紀が…癒紀がっ…!」

泣きじゃくる私を、都樹は抱きしめた。

「その辺のことは、医者がやってんだろ。しばらく、泣いとくか?」
「…うん…。」

私はしばらく、都樹の腕の中で泣いた。私が泣きやむまで、都樹はずっと、私を抱きしめてくれていた。

どれくらい泣いていたんだろう。気がつけば、うっすらと入ってくる外の光は消えかかっていた。

「…もう泣きやんだか?」
「うん…。」
「…行くか、病院。」

私達は、癒紀の運ばれた病院へと向かった。

「この部屋…だよな。」

部屋に入ると、そこには全身に包帯を巻いて横になっている癒紀の姿が。

「癒紀…。」

周囲には、白衣を着た人達が数人。医者と看護師と、それ以外には特にいないだろうけど。

「…来てくれたんだ、理奈ちゃん…。」
「当たり前じゃん。」
「あ…押上くん…。」
「大丈夫か、久尾?」
「…あのね、さっき言われたんだけど…かなり重傷だから、私…死ぬかもしれないって…。」