近くから聞こえてくる、スッと胸に落ちてくる歌詞と優しいメロディー、その歌詞に合った優しい声。 ……だれ? その声の主がどうしても知りたくて、あたしの足は自然と家とは反対方向の、 声の主のほうへと向かっていた。 普段は歌なんて、全く興味がない。 でも、なんでだろう。 自分でも何でかわからないけど、あたしはどうしてもその歌の続きが聴きたくて、 その声の主がどうしても知りたくなった。