愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】
















「おーい、櫻井。大丈夫か?」


「え!?あ…」


ハッとしてみると、いつの間にか榊原が目の前にいた。


「頼むぜ。もうすぐ、俺の出番なんだから」

「うん。ごめん」

辺りを見渡すと、色々な高校の制服を着た人たちが行き交ってる。

ここまで、どうやって来たんだろ。私…



「いいよ。それより…」

自分が怖いなぁ。



「圭吾、彼女いたんだってな」

「!」

「まぁ、あのツラでいない方がおかしいけど」


ここに来ても、その話題。

もう、聞きたくないんだけどー…




「…ショック?」



ドキ。



「え?」

「この間のプールでの出来事で、ちょっと思ったんだよね」

「?」

「圭吾の彼女は、櫻井なんじゃないかって」


…は?

「圭吾の熱愛発覚してから、櫻井が珍しく動揺してるし」


動揺?
私が?

「どう、当たってる?」

ニヤリと笑みを含め、榊原が聞いてくる。





「…ハズレだよ」


どう考えたら、私が柳先生の彼女になるの?





「えー!?俺、誰にも言わないぜ?な、だから本当のことを…」

「だから、違うんだっって。柳先生は…誰にでも優しいでしょ?生徒想いでカッコ良くて素敵ってよく騒いでるじゃん」

主に、女子だけど。


「プールでの出来事も榊原が変なこと言ったから、私と2人でいたのが心配になって来てくれただけだよ」

「あぁ…圭吾、女子にだけは優しいからな。男子には厳しいけど」


「…」

…それは、榊原の態度が悪いからじゃないの?


[次のレースに参加する生徒はー…]


「あ、次のレース俺だ!!じゃあ、櫻井頼むな」

「うん」


榊原は慌ててプールサイドに向かった。





「…はぁ」

一人になった途端、溜め息が出てしまった。