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「またパスタランチ?」

パスタランチをトレイにのっけてカウンターから戻ると、先にお弁当を広げていた亜由がすかさず指摘する。

「いいでしょ別に?好きなんだから……」

いつもは気にしないのに、今日は返す言葉に少々棘があったのは、先日の一件ですっかり“パスタ”の一言に敏感になっていたせいでもある。

(いくら好きでも食べ過ぎはいけないわよね……?)

さすがに週3日もパスタランチを食べていれば、好物だってすぐにバレるはずである。

多少頻度を減らそうかと思案していると、キラキラオーラが視界の端にチラついた。

「隣、いいかな?」

……私と同じくパスタランチをトレイにのっけた鈴木くんである。

どうぞと言えば、鈴木くんは当たり前のように亜由の隣に腰掛けるのであった。

「鈴木くん、お茶飲む?」

「ありがと」

ピンクの水筒からお茶を分けてもらうその様子に、心を許したもの同士の気安さを感じてちょっぴり気恥ずかしい。

私の記憶が正しければ付き合い出してまだ数ヵ月だというのに、そこはとなく熟練夫婦感が漂っている気がするのはどうしてだろうか……。