もう時効だろうと、優の発言をさらりと流してあげたりはしなかった。こんな良い酒の肴を逃がしてはやらない。


「今はもうみんな知っていると思うけど、この頃には亜美のこと好きだったからな」


恥ずかしいのか、俯いて写真を指差しながら言う優。楽しくなって、すぐに亜美の反応を確認すると、案の定照れて挙動不審になっている。


じっと見つめていると彼女と目があった。その瞬間、つい口角を上げてしまうと、パッと視線を逸らされてしまった。


どうしよう、楽しくなってきた。これこれ、私が亜美で遊ぶ。これこそが本来の私と亜美の関係だ。


ここ最近は、私の恋愛絡みで彼女に遊ばれっぱなしだったから、久しぶりの感覚に懐かしさとうれしさを覚えた。


「ほら誰だっけ、あの亜美が一時期メールしてた奴。あの体育科の奴と2ショット写真撮ってるのを見てて、結構切ない思いしたんだよな。結局、俺から写真撮ろうって言えないままこの日1日が終わったんだよな。最終的に奈々のお蔭で撮れたんだけどな」


自分から話を振っておいて、脱線しかけた思考を慌てて連れ戻す。話を続ける優へと意識を集中させた。


「この写真というかこの日は、俺にとって切なくて情けない思い出の日ってわけ。これでいい?」


そんな気持ちであの日を過ごしていたのかと初めてちゃんと優の気持ちを知る。


私はあの時、優と亜美が互いに惹かれあっていることを既に知っていた。知った上で少し引っ掻き回してしまったから、罪滅ぼしがしたくて2人のツーショット写真を無理やりに撮ったんだった。


自分で優に話をさせておいて、目を背けたい過去を思い出した。


でも、まー無事に結婚もして子供にも恵まれた事だし、問題ないだろう。ずるいけど、これはみんなに内緒。


優みたいにバカじゃないから、いくらお酒を飲んだとしても、漏らしてしまったりはしないよ。