「本当にここ!?大丈夫かよ?」

思わず聞いてしまった。
鎌倉の住宅街は狭いため何度か迷ったのだが・・ナビで見る限り小坪トンネルの近くの坂を登った住宅街のようだ。
車を停める場所は、大胆にも『園田さん一家』の駐車スペース。
廃墟と言うわりには荒廃はしていないし。
雨戸が閉まっているためか、『長期旅行中の家』と言った感じに見える。

「・・じゃあ、行ってくる。」
ハッシュがヘルメットをかぶり、後部座席からショットガンを取り出した。
緊張しているようだ・・。

「気をつけて。」
俺が言うとハッシュはあからさまに心配そうな顔をした。
本当は来てほしいのか?

「念のために玄関に聖水をまいておく。ナイフと銃は、近くに置いておくように。」

「はい。」
ハッシュはそう言うと車から降りた。