歌声は君へと





 洗濯物を入った籠を抱えて、私は家へと戻る。
 家に戻ると、まだスノウとキアラの姿がなかった。まだ森の中をあちこち散策して歩いているのだろう。
 
 木と木の間に結ばれた紐に、洗濯物を干していく。
 木がたくさんあるから、枝にかけることもある。たまにその上にリスなんかがいることもあるが、悪さはしない。

 空になった籠を持って、家に入る。
 



「そうだ」




 畑に行く前に様子を見に行こう。

 そう思って寝室への扉を開ける。ベッドにはまだ、目を閉じたままの男性がいる。顔色は二日前に比べると随分いい。

 二日眠ったままなのた。
 そろそろ目を覚ましてもいいのだろうが…。

 ゆっくり近寄り、額のタオルをとる。
 そして傷を見ようとして―――「あ…」目が開いたのを見た。

 鋭い目だ。
 射ぬかれるような、目。
 孤高の狼、だとかそんな印象をうける。けれど、どこか影があるように思った。






『――――』

「あの、えっと、大丈夫?」




 やっぱり、言葉がさっぱりだ。
 異国の言葉などさっぱりである。しかし、何とかしなくてはならない。
 指をさしてみる。それは太ももの怪我に向けるのと、続けて自分に指をむけ、《私が手当てしたの》と伝わるようにと頑張ったのだが……伝わっているのかわからない。




『――――、―――!』




 男性は私の下半身に伸びる"それ"に気づいて、僅かに警戒した。

 だが、何故だろう。

 すぐにそれを解いた。