「だって、お前のテンションがあがる時って必ず女じゃんか」

七緒は呆れたと言うように返した。

…今までが今までだったから何も言い返せない。

「掘り出し物のレコードの情報が入ったんだよ」

俺は九重さんに「今日の放課後にくる」と本文に書くと、送信した。

「何だ」

七緒はふうと息を吐いた。

「この前合コンで会ったって言うヒロカちゃん…だったっけか?」

続けてそう言った七緒に、
「ああ、あの子どうやら彼氏がいるみたいでさ」

俺はスマートフォンをシャツのポケットに入れながら答えた。

「えっ、それ本当なの?」

聞き返した針井ちゃんに、
「だから、こっちから願い下げしてやった」

俺は参ったと言うように両手をあげて答えた。