あれから数日、


お互い忙しくない日は緋色の家で二人で料理の特訓をするようになった。



初めの日はスタンダードにカレーにした。


カレーならまず、失敗しないと思ったから。


けど…



包丁で野菜を切るとき震える震える!


もう指切っちゃうんじゃないかって位危なっかしくて…




「緋色がここまで不器用だとは思わなかったよ…」


「こっちだって自覚してんだよ。はっきり言うな」



うー…だって、こっちがヒヤヒヤしちゃうんだって!


しかもピーラーの存在を知るまで包丁で皮むきしてたらしいんだけど…


もう身も剥いてて半分残ってるかどうかって感じで。



「切るときはちゃんと猫の手にしてね?
…あともう少し薄く切ってね」


「美桜だって猫の手じゃねぇじゃん」


「私はこのやり方で慣れてるから良いの!
緋色も慣れたら自分のやり方、見つかると思うよ?」