「じゃあ花音送ってくから」


「うん。また明日ね?」


「送るもなにも…隣じゃん?」


「うるへー」



しばらくして帰ることに。


家の方角的にもここで左右に分かれるので、
店の前で花音、大和とバイバイした。


手を繋いで帰っていく二人の後ろ姿。


直人は今、どんな気持ちで見てるんだろう…


それを思うと横を向けなかった。



「帰るぞ」


「あ……うん」



先に数歩前を歩く直人。



ホントは…自分が花音を送りたかったんだろうな…


好きな人の隣に居たいなんて当たり前のことだもん。



見上げれば陽は完全に落ちていて、空は真っ暗…


さすがに冬は日の入りが早い。


住宅街に入るとより暗さが増した気がした。