そして私たちなんてまるで眼中にないように、松田くんの方へと歩いていく。



「おはよ!」


「おはよ、花音ちゃん」



笑い合う花音と松田くん。


旗から見れば二人の世界のようで…


そんな二人に教室中がざわめきだした。



「え、え?何で瞬?
だって花音って…」


「昨日まで挨拶ぐらいでお喋りとかしてなかったよね?」



騒然としているのが遠くに聞こえる…


それ位呆然としちゃって頭がついていかない。



だって花音、松田くんしか見てない…


私や大和たちの方…全然見ようとしてない。


隣の大和は驚いた顔で固まっている。


直人は相も変わらず読めない態度…




楽しそうに松田くんと話す花音。


でも…


その笑顔が花音らしくないような…そんな気がした。