気が付けばドアを叩く音も声も止み、部屋がしんと静まり返っていた。


辺りを見回すと日は完全に落ち、真っ暗な状態。


孤独感が胸にぐっと迫る。




帰った、のかな…



気にはなるけど確認しに行こうとは思えず…

電気も点けずにベッドへ寄りかかりながら項垂れる。





それからしばらくして、混乱した頭もようやく少し落ち着いてきた。


だけど…


同時に沸き上がる胸の痛み。




もし……もし、直人のキスが初めてだったら。



相手はもちろん好きな子とがいいに決まってる。



花音とが…いいに決まってる…



ただただ直人に申し訳ない気持ちでいっぱいで。



「ごめん…」



部屋の中でぽつり、私の声が虚しく響いた…