逃げ出すように教室から出ていってしまった。


だって、あのままあの場所に居たら……


泣いちゃってたから、たぶん。


私なんて眼中にないあいつの態度が…ぐさりと私の胸を刺す。


目に映しているのは花音ただ一人なんだろう。


そんなの分かりきったこと…


分かってたこと、なのに……



「はぁ…」



本日何度目かのため息をつく。




『こっちに看板置いてーー!』



窓から見える正門前では、大勢の生徒が楽しそうに準備をしていた。


その様子を見ていると、徐々に暗い気持ちが和んでいく…



第一、なんで私がショックを受けてんの?



その疑問が生まれた時、理由も分からずに病んでいた自分がバカらしくなった。


この間、直人に妙なこと仕出かされたから変に意識しちゃったんだろうな…


絶対そうだ、うん。