「えぇーっ?吉岡、まだなんだ」


「別にいいでしょっ」


「いや、あのね」


少し私の耳に口を寄せて小声で喋る那子。


「先輩から、悠希を紹介してって言われてるんだけど……どう?大学1年生!」


だっ、大学1年生!?


な、なぜ私に……!?


「私、知ってる人?」


「うん」


「身に覚えがないんだけど……」


「ふふふっ!聞いて驚くな?……百瀬湊先輩!」


百瀬先輩……百瀬先輩……


頭の中で百瀬湊先輩を探す。


「あぁっ!」


去年まで同じ高校だった先輩だ!


「わかった?」


「わかった!」


「どう?湊先輩!」


「え、どうって、百瀬先輩って頭も良くてイケメンで優しくてって人じゃなかった?」