グイッと大きく玄関の扉を開ける。
ぶっきらぼうだけど、これは入れっていう そうちゃんの意思表示。
「お邪魔します」
「ん」
サンダルを揃えて並べる。
「じゃ、俺下にいるから」
「うん」
階段をソロリソロリと上って千暁の部屋にむかう。
コンコン、と一応ノックして返事がないけど侵入。
「千暁?」
ベッドに仰向けの千暁と、足元に丸まるルーちゃん。
千暁、寝てるのかな。
「ちーあき」
起きないな。
ルーちゃんが一度片目を開けて私を見上げたけど、何事もなかったように再び丸まった。
呼び出しといてなんなのよ。
でもね……
私、帰ったら真っ先に千暁に会おうと思ってた。

