「ここでいいの?」


「うん」


わざわざうちの最寄り駅まで送ってくれた吉岡。


「今日は楽しかったよ、ありがとう」


フリフリと手を振る。


「俺もだよ」


「またね」


「うん」


あっけないな。


さて、と。


さっき携帯みたとき確か千暁から……


お、やっぱり来てた。


"ちょっと来い"


呼び出しかい……


一時間遅れてるけどいいや。


そのままの足で千暁の家に向かい、インターフォンをならす。


「あ?悠希だ」


出てきたのはそうちゃん。


「スカートなんか穿いちゃって」


……毎日スカートで学校いってるんだけどな。


「千暁いる?」


「あのヘタレ兄貴なら部屋でダラダラしてるよ」