私のはじめてを君に。




「別にイチャついてねーよ」


「へぇ、そう。カンチガイされなきゃいいけど」


「んだよ、それ」


「そんなことより聞いてよ悠希~」


千暁のほうを向いてた体をくるりとこちらに向けて那子が溶けるように机に突っ伏す。


「古典見して~」


「あ、古典?いいよ」


リュックから古典のノートを出して那子に渡す。


「悠希こいつを甘やかしすぎだって」


「甘やかしてもらってなんかないよ?ホラ」


ガサッと那子が取り出したのは私の大好きなグミ。


「やったー!那子ありがとう!」


「ね、ギブアンドテイクだよね」


「うん!」


ひとつ取って口に入れる。


「あ~幸せ」


「悠希しっかりしろ」