私のはじめてを君に。



「なに言ってるの、大丈夫だよ。吉岡部活でしょ」


信一郎と同じサッカー部。


信一郎、今日は部活って言ってたし。


「あー……そういえば部活だ」


少し嫌そうな顔をした吉岡に、クスッと笑いが漏れる。


「部活終わったら連絡してね」


フリフリと手を振って下駄箱に向かった。


ふふふ。


なんだか青春の気配!


ウキウキしながら家に向かう。


「あれ、悠希」


千暁に似た、でも少し違う声に呼ばれて振り返る。


「あ、そうちゃん」


千暁に似てきた綺麗な顔が、私を見下ろしていた。


「そうちゃんも、今帰り?」


「テスト期間」


「私もだよ」


「知ってる。兄貴が心配してた」