私のはじめてを君に。



「いいよ!なにか見たいのあるの?」


そうか。


見たいものがあるけど一人じゃ見に行きづらいのか!


きっと恋愛映画に違いない。


「ファンタジーなんだけどいい?」


あれっ、予想が外れちゃった。


「うん!いつにする?」


吉岡は少し考えてる素振りを見せる。


「あ」


目の前に現れた職員室。


あ、もう着いちゃったか。


"生徒はここまで"と書かれた看板。


その手前に置かれた大きなテーブル。


「ここに提出?」


「うん、ありがとう」


急いで自分の分を置いた吉岡が、私からノートを受け取ってテーブルに置く。


「じゃあ、私帰るね」


「あっ……えっと、送るべきなのかな?」