私のはじめてを君に。



「あっ!?」


前をヨタヨタと歩く人。


「吉岡?」


去年同じクラスだった吉岡敬太。


「あ、倉本」


「倉、野」


「そうだっけ」


いたずらっ子っぽく、へへって笑う。


だけど両手には大量のノート。


「半分貸して?持つよ」


前が見えるのか疑問に思うほどに積み上げられたノートを少し奪う。


「ありがとう」


クラスの人たちの課題を提出するために職員室に向かってるみたい。


「委員長なの?」


「頼まれただけ」


「大変ですね、お人好しさんは」


「ただのパシリだよ」


吉岡からは、一線置かれてる感じ。


話しはするのになんだか少し遠い感じ。