五島那子。


高校に入ってから仲良くなった、私の少ない友達。


「五島さんおはよう」


「栗原くんおーはよ」


爽やかに挨拶する信一郎。


笑い返す那子。


うん、なんて絵になる二人。


「てかさ聞いてよ」


那子は私の前の席にどかっと座って嫌そうな顔して語り出した。


私の前は那子。


隣は千暁。


斜め前が信一郎。


千暁と反対側の隣は窓。


そして一番後ろ。


つまり角の席。


千暁の裏の手で私たちは席替えをしてもいつも固まる。


これだけはあの変態に感謝ね。


「お、五島いつ来た?」


私の隣に千暁が座るといつものメンバー。


「あんたが廊下で桜とイチャついてた時から来てた」