「さっき俺のベッドで寝てたのに」


「千暁のベッドは寝心地いいから」


ふわふわで、なんかいいにおいするんだよね、千暁のベッド。


「そう?」


「うん、私もルーちゃんも千暁のベッド大好きだもんねー」


ルーちゃんの頭をワシャワシャ撫でると、迷惑そうに片目で私を見上げ、また閉じた。


「…………その発言どうなの」


「ん?」


「いや、別に」


ふい、と話を終わらせ、教科書を手に取る千暁につられて、私も手元の教科書に視線を落とす。


……………………。


「勉強」


カンカン、と千暁のシャーペンが私の教科書を叩く。


「んーー…きゅ」


「却下」


ちっ。休憩って言おうとしたのに。