大きな手を私の頭に乗せてワシャワシャと髪の毛をグシャグシャにする。
「だから拗ねんなよ」
「むぅ」
そして私のほっぺを片手で潰す。
これ、ほんとに好きね。
まったく。ほっぺ垂れたらどうしてくれるの。
「うし、帰ろ」
「ん」
歩幅が大きい千暁と歩いてると自然と歩数が増える。
この間男の人がチワワを散歩してたんだけど、あんな感じなのかな。
私あんな忙しそうに歩いてるかなぁ。
でも私、いつもどのくらいの速さで歩いてたっけ。
あ!置いてきぼりにされた!
「ちょっと待ってよ!」
「おせーよ」
ケラケラ笑いながら立ち止まる。
結局止まってくれるんだから優しいんだよね。