私のはじめてを君に。




「いらっしゃい!」


カウンター席に座りながら店主さんを見上げる。


ノリがよくて、結構好き。


「豚骨ラーメンひとつー!」


「あ、俺醤油で」


「キクラゲとメンマ多めね!」


もう言わなくても特注までわかってくれてる。


ありがたいことに。


「千暁!今日替え玉いこう」


「はぁ?ほんと、遠慮ってもんがないかなぁ」


「千暁相手に遠慮?」


「仮にも俺男ですけど」


「うん」


「そんなに食べない女の子のほうがいいかも、とか思わないわけ?」


「いやいや、食べたいから食べてなにが悪いのよ」


「……あー…悠希だわ」


「桜はあんまり食べないの?」