私のはじめてを君に。




「誉めてる」


はず、と付け足したのを私は聞き逃していない。


「ちょっと、怒るよ?私だって女の子なんだから」


「新種の豚骨ラーメン系女子ってやつですか」


うっざ!


むかつくむかつく!


「うっさい!」


シュッ、っと千暁の脇腹にパンチをお見舞いする。


シュッ、なんてほど速くないんだけど。



「ははっ」


笑いながらスタスタと歩いていく千暁を追いかける。


「なに笑ってんのー?」


「べっつに~?」


向かう先は行きつけのラーメン屋さん。


テンションがあがってる私と、そうでもない千暁。


お店に着くと、店主さんは私たちの顔を覚えてくれてるみたいで、カウンターの上から話しかけてくる。