私のはじめてを君に。



無意識のうちにそうちゃんのこと考えてる。


やっぱりいいお兄ちゃんなんだね。


「泰斗が自分じゃ買わないものかぁー…」


「時計」


「中学生だぞ?却下」


「お財布」


「必要性がないな、却下」


「香水」


「中学生には早ぇよ!却下だ」


「リュック!リュックなら使えるよ!」


「…………ナイスアイディア」


ポツ、と認めるように呟き、千暁のよく行くお店に私もろとも引き込まれる。


「教科書いっぱいだから丈夫なやつだよ」


「おぉ」


私があげたいものはもう決まってる。


ぬいぐるみスピーカー。あの音楽にあわせて踊るやつ。


前に千暁が音楽プレイヤーくれたってすごく嬉しそうに話してたから。