「むっ」
また、私の頬を潰す千暁。
本当にこれ好きね。
「悠希不細工」
「んーっ」
空いてる両手で千暁の伸びた前髪を掴んで右手につけていたヘアゴムでちょんまげ。
「癖ついたらどうすんだ」
私のほっぺから手を離して ぴょんと立った前髪をピョコピョコさせてる。
「千暁こそなに時代?」
ここぞとばかりに仕返し。
フン、とどや顔。
「ムカつく顔してんなー」
「大事にしてよ……桜のこと」
「してる」
「私なんかとちゅーしてないでさ…彼女としなさいよ」
「悠希のほうが好き」
「それはないでしょ」
千暁の視線が私の唇に向いてるのに気がついてそっぽを向いた。

