可愛いけど、今はいい迷惑だ。


「桜、私にばっかり構ってると水瀬くんが怒るよ」


桜の肩をポンとたたいて、半ば千暁に押し付けるようにして逃れた。






特にかわらない1日。


いつものように、ゆっくりと時間が過ぎていく。


時間と一緒にゆっくり流れていく雲を眺めるのが癖になっていた。


「………………あ、雨」


ポツリポツリと降ってくる。


折り畳み傘、あったっけ。


帰るまでに止むといいなぁ。






結局、帰りのホームルームが終わっても雨はやまなかった。


さーて、携帯返してもらって帰ろ。


頑固おやじだから、すぐには返してもらえないかも。


すぐに職員室に向かった。