家に着き、たいちゃんをリビングで待たせて自分の部屋に駆け上がる。
誕生日に、千暁にあげたかったぬいぐるみスピーカーを抱えてたいちゃんのもとに戻る。
「ん?」
「千暁に、渡して……何も言わないで」
「何も?悠希からってことも?」
「うん、たいちゃんからってことにしといて」
「…………よくわからないけど、それでいいの?」
「お願いします…」
涙を堪えて、テディベアスピーカーを見送った。
君は、千暁に大切にしてもらってね。
「……あぁ」
千暁の誕生日当日。
何故かものすごく目覚めが悪かった。
「あーぁ……」
学校、行くかぁ。
なんで平日かなぁ、今日。

