「倉野が寂しそうだったから」


「…………どうせ私は友達いないもん」


「開き直ってんな」


千暁が幼なじみじゃなかったら、私こんな寂しく学校生活送ってたんだ。


「………………吉岡ぁ」


「ん?」


「帰りたい」


「ホームシックってやつ?」


うん、と小さく呟いて机に視線を落とす。


「ホラ、これあげるから元気だしな」


ヒョイ、と出された私の大好きなグミ。


「…………よく、持ってたね?」


「朝、前歩いてた倉野が元気なかったからコンビニで買ってきた」


「あ、ありがとう……今、お金」


「いいよ、俺のおせっかいだから」


「でも」


「これ食べて元気出せ?」


「……ありがとう」