私のはじめてを君に。



私の独り言は、映画のヒロインとシアター内の女の人の悲鳴にかき消された。





「もういらないのですか?」


「…………はい」


半分余ったキャラメルポップコーン。


シアターを出てすぐのスタッフさんに渡す。


「お持ち帰り用にもできますよ」


「もう、いいです」



どうして、よりによって千暁と何度も行った映画に来てしまったんだろう。


トボトボと街中を歩きながらため息をつく。


ここでナンパされて、千暁が助けにきてくれる。


なんて、少女漫画の王道胸キュンパターンを想像してまたため息。


まず、ナンパもされないからね。


「あ……」


たいちゃんの誕生日にあげた、踊るぬいぐるみスピーカーがお店のショーウインドーで踊っていた。