泣けるものを選んでよかった。
目が真っ赤になっても不審に思われないね。
最後はハッピーエンドのカップル。
こんなの、フィクションだよ。
あーあ、現実もフィクションだったらいいのにな。
お小遣いが入ったばかりのまだ余裕のあるお財布を見て、もう1本見ることを決める。
どうせもう、使うこともそんなにないし。
使うときに使っちゃえ。
半ばヤケクソになって、すぐに上映の始まるホラー映画のチケットを買った。
「………………」
いつも左側にいる千暁。
左側からポップコーンに伸びてくる手をはね除けながら、小声で喧嘩して……
「…………………………寂しい」

