「なに?父さん」
「いや?そんなことより悠希ちゃん彼氏はできた?」
うがっ、
なんなのこの親子は……
たいちゃんも千暁パパもなんでそんなことばっかり聞くの!
「いやー…ぜんっぜんモテないんですよね、私」
まったく。笑えない話だ。
「そうかそうか」
さらにニコニコする千暁パパ。
「いざとなったら千暁にもらってもらいな。僕も母さんも大歓迎だから」
なんて優しいんだ!
だけど、千暁には桜がね。
「千暁には かのモガッ」
千暁の大きな手で塞がれた口。
今日だけで何回目だよ!
千暁の手の甲んぺしぺし叩く。
「はははっ、仲いいなぁ」

