私のはじめてを君に。



「ここ?」


「ここ」


想像通り……とっても大きな家の前で足をとめた先輩。


「今日、みんないないんだ」


それを聞いて少しホッとした。


大きなドアを開け、「どうぞ」なんて言ってる。


…………なんか高そうな壷がありますけど……


「お邪魔します」


これ、絶対虎の頭つきの毛皮絨毯があるパターンのお家。


「ちょっと待っててね」


中庭のようなところに通されて、待機を命じられる。


……絶対私んちには呼べないや。


綺麗な花壇を眺めながら待っていると、どこかから犬の鳴き声が聞こえた。


「わあ」


「おまたせ」


先輩の両脇を歩くシェルティー。


それから、後ろをノソノソとコリーが歩いてきた。