私のはじめてを君に。




「それ。それを百瀬先輩でやってみて」


「……はい」


「私、応援してるから」


……どうして桜は応援なんかしてくれるの?


千暁が好きだったんでしょ?


そんな疑問を飲み込んだ。


別れる原因の私と仲良くしてくれるだけで、嬉しいから。


「よーし!練習しよう!」


「うん」



体育祭まであと2週間。











「おはようございます」


「もうおはようございますって時間じゃないよ」


ははっ、と笑う先輩。


「よし、行こっか」


「はい」


今日はコリーちゃんたちに会わせてくれるらしい。


そのために、今は先輩の家に向かっている。


絶対大きい家だろうな、なんて考えながら。