「おはよー……」
今日は学校を休みたいって駄々を捏ねたのに、お母さんには通用しなかった。
千暁に、会いたくない……
「おは……悠希?顔どうしたの?」
挨拶した那子がビックリしたように席を立つ。
「ハハハ……寝不足」
「寝不足って…」
「大したことないよ~」
「……具合悪い訳じゃ、ない?」
「それは大丈夫だよ」
「なにかあったらすぐに言ってね?」
「うん、ありがとー…」
そんなに私の顔は酷いのか。
「あっ、水瀬おはよ」
ビクッと反応してしまった。
「ん」
「千暁くん、おはよう」
「あぁ、おはよ」
「……桜、話あるんだけど」
桜を連れて教室を出ていった千暁を横目で追いかける。