珍しい千暁の大声。


って、思ったときには目の前は地面だった。


ガンっという音と、頭に衝撃。


いっっっっ、たぁぁぁ……!



「悠希!」


目の前に千暁。


「あ、……」


千暁が私の足首の手拭いを慌ててほどく。


「ごめん……ありが!?」


ぶつけた鼻を触った手に血がついていた。


「ど、どどうしよう千暁!」


「鼻血だな」


ほほ保健室!


「ちょっと保健室行ってく!?」


足がいたい。


「保健室、行こう」


歩ける?と聞かれたものの、足は痛い。


「歩ける」


でも、大したことないさ。


千暁の腕を借りて、立ち上がる。


「……桜は、いいの?」


私の問いかけを千暁は無視。