信一郎、私、千暁の順でカウンター席に座る。
「この配置も毎年変わらないね」
信一郎が左利きだから。
「だんだん量が少なくなってきた気がするな」
「ね、今年は大盛りいっちゃおうかな~」
中学3年くらいから、二人は大盛りになってた。
私は、千暁が豚になるぞって脅してきてたから諦めてたけど、今日は無視して大盛りにしよう。
「豚になっても知らねーぞ」
ほら来た。
「いいもん!あっ、豚骨ラーメン大盛りで!メンマとキクラゲ多めで!」
「醤油ラーメン、大盛りと味玉追加で」
「味噌ラーメン大盛りで、…コーン追加で」
千暁と二人で行くラーメン屋さんとはまた違うところだけど、オーダーはみんないつも同じ。

