「じゃあ桜、まずゆっくり歩くことから始めよ」
「うんっ」
「桜は右足からね!いくよ!」
せーの、で歩き出す。
まだゆっくりだから歩けてるけど、これで走るとなると…………大丈夫かな。
「おつかれー、はい」
「ありがと…」
信一郎から私の水筒を受けとる。
「やったら小幅で歩いたせいで腰が痛い……」
「ちゃんとウォーミングアップしないから」
「うーん………あれ、那子は?」
「あぁ、暇だからって帰ったよ」
うーわ、ひどい。
「まぁ、それより悠希」
「ん?」
「ラーメン食べてから帰ろ?」
「あっ、いいね」
「って、さっき千暁が言ってたんだ、行こう」

