私のはじめてを君に。



顔を真っ赤にして否定するたいちゃん。


と、お腹を抱えて笑ってる千暁。


「もーっ!千暁の馬鹿馬鹿馬鹿!」


「うーわ、俺に当たんなよ!」


それにしても。


「たいちゃん?その反応はもしかして……好きな女の子でもいるのかな?」


「えっ、い、いないよ!そんな子いないよ!」


今度は私がたいちゃんをいじりながら家までの道を3人並んで歩く。


時々たいちゃんが千暁の方に助けてみたいな視線をチラチラ送るも、無視。


「あはははっ!」


私たちの笑い声が、住宅街に響いていた。


「ただいまーっ!」


家の前で また後でね、と千暁とたいちゃんと別れた。


「あぁ、悠希おかえり」