私のはじめてを君に。



先輩のリュックに付いてたお守りが落ちて……


私慌てて追いかけてきて、ここで追いついたんだ。


合格祈願のお守りだったから、落としたら大変だと思って知らない人なのに話しかけた。



「俺、あのときすっげぇ嬉しかった」


「そうですか?」


「うん、模試でも成績が思うように上がらなくてピリピリしてたから」


「"疲れたときは甘いものがいいんですよ"って飴まで渡しましたね、私」


「ははっ、そうそう!実は甘いもの、疲れたときに逆効果って言われてるのに」


えぇっ。


逆効果って……


ダメじゃん、私……


「でも悠希ちゃんが優しくしてくれて疲れなんかぶっ飛んだ」


「お力になれてたなら本望です…」