昔から、私と仲良くしてくれる子は皆


千暁と仲良くなりたいか、信一郎と仲良くなりたいか、


またはすでに、千暁か信一郎に恋をしている子ばかりで私と仲良くなりたいと思ってくれる子はいなかった。


だから私のことを思ってこんなことしてくれるなんて、感動でいっぱいになった。


「ほら、悠希、蝋燭消して」


「うん…」



目の前のケーキに目を向ける。


那子、信一郎、千暁を見回す。


「みんな、一緒に消して?」


せーの、と言うと、フッと一瞬で蝋燭の火は消えた。


「ふふふ」


「悠希、誕生日おめでとう!」


「ありがとう…」


視界が歪む。


「本当にありがとう……みんな大好き」