「悠希、誕生日おめでとう!」


那子。


「悠希、おめでと」


信一郎。


「おめでと、2週間前だけど」


千暁。


そう。


私の誕生日は2週間後。


「誕生日、覚えてるのになんで2週間前なの?」


「悠希ん家、でっかいケーキ食うじゃん?こいつがどうしても祝いたいって言うから。2週間前なら誕生日にもまたケーキ食えんだろ?」


こいつ、と言って那子に視線を送る。


「那子ぉーっ」


うわーん、と那子に泣きつく。


まさか誕生日覚えててもらえてるなんて!


しかも祝ってもらえるなんて!



「那子ありがとーうっ、大好き~!」


「あははは、泣くな泣くな」


ポンポンと宥めるように背中を叩く那子。