「千暁、もったいないな…桜可愛いしいい子なのに」
「さあ?どうだろうね、いい子なのか俺からはノーコメント」
え?
思わず信一郎を見上げたとき。
「悠希ーっ!水瀬やっつけちゃってー!」
「悠希、今すぐこいつ殺してくれ」
「えっ?」
前を歩いていた二人が振り返り、同じようなことを口にする。
「どうしたの?」
「水瀬、わたしに彼氏ができないのは性格がとか言うんだよ?」
「事実を教えただけ」
「だいたい、あんた」
「悠希、やっぱりこいつ今すぐ殺そう」
もう、私にどうしろと?
自然と 千暁、私、那子、信一郎の順で並び、大声で騒ぐ千暁と那子を、私と信一郎が宥める。

