私のはじめてを君に。




「ねぇ水瀬、どうゆうこと?」


それを少し楽しそうな那子が追いかけていった。


「あぁそういえば悠希」


ん?と、隣の信一郎を見上げる。


「那子から聞いたんだけど、百瀬先輩と連絡とってるんだって?」


那子め……


おしゃべりだなぁ、もう!


「そうなんだ」


「どう?敬太と比べて」


敬太。


久しぶりに聞いた名前に、一瞬戸惑う。


えっと……吉岡のことだよね。


「うん……先輩が連れてってくれたところ、すっごく楽しかったし」


て、吉岡には内緒ね?とつけ足す。


「じゃあ先輩とはいい感じなんだ?」


「へへへ…わりと、いいかなって思うよ」


「あーあ……悠希にも彼氏かぁ…俺寂しくなっちゃうなぁ」