私のはじめてを君に。



朝だからか、少し低めの千暁のテンション。


声もいつもより低い。


「もう信一郎と五島待ってるって」


「えっ?」


なっ、なんの話?


「私そんな話聞いてない」


「昨日言おうとしたら寝てたんだよ」


なんで早く言ってくれないかな!


久しぶりに会う、那子。


ウキウキしながら歩いていると少し先の洋風なレンガ造りの建物の前で二人が並んで立っているのが見えた。


「あっ、千暁!手!手!」


つないだままの手を急いで離す。


「あ、そうだった」


うーわ、那子可愛い格好してる。


パーカーにショーパンなんかで来るんじゃなかった~……


髪が巻いてあるのが唯一の救いだよ。