私のはじめてを君に。



さて、準備しよう。


いつも通り手を抜いたパーカーにショーパンスタイルで髪はおろしてかるく巻く。


うん、OK。


朝御飯食べてないな。


どうするんだろ。


てゆうか、今何時……って、もう10時……


よく寝てたんだなぁ。


玄関でスニーカーに足を入れて靴紐を縛っていると、目の前の玄関のドアがガチャリと開いた。


「あ、もう準備できてたんだ」


Tシャツにズボンにスニーカーで、こんなに決まるものなのかな。


目の前に立つ千暁をぼんやりと見上げる。


「?……んだよ、さっさと行くぞ」


「うん、あ、朝御飯て」


「あー大丈夫大丈夫」


「そっか」


自然と握られた手。