「はぐれないようにね」
小さい子に言い聞かせるような言い方にムッとしながらも、こういう状況では迷子の常習犯なのでおとなしく手を握り返した。
そこからブワッと道が開けて、まわりの混みあっていたカップルは四方八方の水槽に散っていく。
私も百瀬先輩の手に引かれて、ナントカクラゲの水槽の前へ。
「とりあえず、端から見ていこうか」
私を見下ろす百瀬先輩の綺麗なお顔は水槽の光に照らされて輝いて見える。
今、ドキッとした!
これだよ!このドキッと感がっ……!
「はいっ」
水槽の光で見えるまわりには思ったほどのカップルはいなかった。
道が狭くてギュウギュウ詰めで多く感じただけだったのかな。

